放課後等デイサービスが抱えている課題について
現在の放課後等デイサービス(以下、放デイ)が直面している喫緊の課題を3つの柱で解説します
1.専門性の欠如とサービス質の二極化
放デイは2012年の創設以降、営利企業の参入が相次ぎ事業所数が急増しました。
その結果、支援の質に大きな「格差」が生じています。
理学療法士や言語聴覚士を配置し、根拠に基づいた療育を提供する事業所がある一方で、単なる「預かり(レスパイト)」に終始し、適切な個別支援計画が機能していない事業所も少なくありません。
2024年度の報酬改定では、支援内容を「総合支援型」と「特定プログラム特化型」に分けるなど、質の厳格化が進められていますが、依然として「子どもの発達を促す場」としての専門性をどう担保するかが最大の課題となっています。
2.深刻な人材不足と高い離職率
福祉・教育業界全体に言えることですが、放デイにおける人材確保は極めて困難な状況です。
保育士、教員免許保持者、児童指導員といった有資格者の確保が必須である一方、業界全体の賃金水準は他業種に比べて低く、さらに高い専門性と忍耐力が求められる現場の負担から、離職率が高止まりしています。
特に、強度行動障害など手厚いケアを要する児童への対応には高度なスキルが必要ですが、現場の教育体制が整わないまま若手職員が燃え尽きてしまうケースが目立ちます。
人材の「量」だけでなく、支援技術を継承していく「質」の維持が困難になっています。
3.「18歳の壁」と学校・家庭との連携不足
放デイは原則18歳で利用終了となりますが、その後の就労移行支援や生活介護へのスムーズなバトンタッチができていない「18歳の壁」が問題視されています。
放デイ、学校、家庭、そして卒業後の支援機関の間で、子どもの特性や支援記録が十分に共有されていないのが現状です。
各機関がバラバラに動くことで、一貫したキャリア形成や自立支援が阻害されています。
地域全体で子どもを支える「インクルーシブ教育」の観点からも、放デイが単なる孤立した事業所ではなく、地域の福祉ネットワークの中核としていかに機能するかが問われています。